2010年3月アーカイブ

日ごろからお世話になっているIT業界の先輩が、
ITIL Foundationに見事合格したとの知らせが舞い込んできました。
この場を借りて、おめでとうございます!
早速マイクを向けてみました。

Q「勉強時間はどれくらいですか?」
A「2週間くらいです。時間にすると15~20時間程度です」

Q「これまでITILの経験はありましたか?」
A「会社に書籍はありますが、本格的な導入はしていません。
  役に立ったのはITILの経験というよりは、業界の経験でしょうか。
  V3で、上流から下流までのライフサイクルで再編成され、
  イメージが沸きやすくなったので、勉強しやすかったです。」

Q「教材はどんなものを使いましたか?」
A「教科書と、ITILを解説した参考書籍、模試です。
  教科書では足りないので、参考書籍でフォローしました」

Q「当日はどのように試験が進められたのですか?」
A「試験予定日1週間前に、プロメトリックに申し込みました。
  土日だったので、既にかなり枠は埋まっていました。
  当日は会場に出向き、説明を受け、パソコンの前に座りました。
  試験時間は60分でしたが、30分程度で一通り解き終わってしまいました。
  わからない問題は検討もつかなかったので(笑)、
  手ごたえのないまま、思い切って、終了ボタンを押すと、
  「合格」の文字が。ほっとしました。」

Q「学習中の方にアドバイスがあるとしたら、どんなことですか?」
A「まず、ライフサイクルと対応づけて、すべてのプロセスが言えるようになることが大事です。
  どんな目的のプロセスかまで理解し、それも言えるようになるとよいでしょう。」

貴重なお時間ありがとうございました!
上記のインタビューが、勉強中の方のご参考になれば幸いです。

社内からも合格者が出ている模様です。
折を見て、PART2を掲載したいと思います。
昨年11月のIT mediaに、こんな記事が載っていました。

「第1回 2010年度注目のスキルは仮想化とITIL」
http://jibun.atmarkit.co.jp/lskill01/cs/200911/01/01.html

不況になってから受講者が急増した珍しいケースなのだそうです。
昨年といえば、V3がITIL試験に加わった年です。
「IT企画・IT戦略立案の分野まで範囲が広がったため、
ユーザー企業の情シスエンジニアにも広がったようだ」
としています。

また、昨年はクラウドがバズワードになった年でもありました。
サービスとしてのITが、各企業で徐々に浸透してきた結果なのではないでしょうか。

無論、ITIL資格というと、ITIL Foundationが有名で、
資格取得者は、2008年1月現在で既に5万7000人もいたそうです(EXIN発表)。
1ヶ月程度の勉強で取れる入門資格ともあり、
この人気で、さらに取得者数は増加しているでしょう。

ITIL Foundationから、さらにステップアップしたい!という方は、
「ITサービスマネージャー」はいかがでしょうか?
国家試験である、情報処理技術者試験の高度に位置する、
インフラ系の業務を数年経験した中堅エンジニア向けです。

ITIL Foundationの上位資格のITIL Managerは研修の受講が要件。
なんと、100万円近い費用がかかってしまうのですが、
「ITサービスマネージャー」は国の税金の助けもあり、費用は5,100円。
難易度が高くステータスがあるものの、敷居はぐっと下がります。
書籍や模試込で見積もっても、20,000~30,000円でチャレンジできる資格です。

この資格、2008年まで「テクニカルエンジニア(システム管理)」
といわれていたのですが、2009年に新制度に移行したため、名前が変わりました。
名前だけでなく、想定されている「役割」も移行前と、移行後で以下のように変わっています。

【移行前】
「情報システム基盤(業務システム共有のシステム資源)を企画・構築・運用する業務に従事し、次の役割を果たす。...」
【移行後】
「ITサービスの品質とコスト効率の継続的な向上を目的としてITサービスをマネジメントする業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する。...」

引用:http://www.jitec.jp/1_11seido/sm.html

よりITILチックですね!
論文試験もあり、ITIL Foundationに比べ運用スキルや経験が問われる試験になっています。

次回試験は、秋10月です。
情報システム部門で、日々、ITサービスをマネジメントしているみなさん!
チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
ITILの取り組みを始めようという会社は、まず、
勉強のため、担当者にITIL Foundationの資格を取ってきてもらう!
というところから始まるのではないでしょうか。

命を受けたあなたはきっと思うはずです。

「ITIL Foundationって取っても使えないな・・・」

ITIL Foundationはフレームワークを適切に理解しているかを確認するものなので、
ひたすら用語や定義を覚えていく学習になります。
筋トレと同じで、だいぶ地味な学習です。
私もはっきり言って、暗記はつまらないです!

少しでも面白みを感じようとするなら、スポーツと同じで、
実践を取り入れるとよいのではないでしょうか。
日々の業務を、フレームワークで捉え直すのです。

イベント管理→「なんかアラート上がってきたね?」
既知のエラー→「ああ、これか。○○と××が相性悪くて、挙動がおかしくなるんだよな」
ワークアラウンド→「とりあえず再起動しといて」
問題管理へエスカレーション→「○○先輩、これ調査お願いできないですかね?」

さらに、ITILはベストプラクティス集。
ITの先進的な業務の事例が詰まっているんです。
Foundationの学習でも、こんな風に改善のヒントを得ることができます。

KEDB=既知のエラーデータベース→?

まだ属人化しているチームにあなたが所属しているなら、
KEDBの実例が浮かばないのではないでしょうか。
これが、改善のヒント。あるべき姿です。

「既知のエラーをエクセルにまとめておいたら、誰でも迅速に対応できるかな?」
「みんなの対応メモを、チームのみんなが見えるように、ファイルサーバーにアップしておいたらどうだろう?」

あなたがマネージャーやリーダーの立場になくても、
いつもの仕事を少し便利にするHack的なヒントが眠っているはずです。

そんな風に勉強を進めると、少し楽しくなるのではないでしょうか。
v2では13のプロセスが、v3では23ものプロセスが定義されています。

「一体どこから手をつければいいの?」

きっと担当者は途方にくれるに違いありません。

「いっそのこと、業務全体を再構築してしまおうか・・・」

と、壮大なプロジェクトの幕開けを企んでしまうと、
ITILの導入が何年先になるかわかりません。
目の前に、すぐに活用できるベストプラクティス集があるのに!です。

ISOもITILもスモールスタートが始めやすいです。
ITサービスの業務プロセスすべてを、あるべき姿に持っていく、
など、何年かかるかわかりません。
開始して、PDCAで徐々に改善をしていけばよいのです。
幸い、ISOにもITILにも改善の仕組みが備わっています。

ISO20000なら13プロセスを、自社の業務に置き換えて、要求事項と比較し、
どこが弱いだろう?と現状把握をすることから始めましょう。

これから、ISO20000を目指す企業ならば、
「インシデント管理」「構成管理」「サービスレベル管理」
あたりを確認してみてください。
比較的はじめやすく、効果が見えやすいポイントです。

ITILのユーザー会であるitSMFの公式ページで、
ちょっとしたアンケートが行われています。

http://www.itsmf-japan.org/index.html

「ITサービスマネジメントに取り組むことで1番効果があったことは何ですか?」

3/2 13:30時点で、有効回答数は36件。まだまだこれからですが、
現時点での上位3位は、
「品質向上、顧客満足度向上」38.9%
「運用業務、ITサービスマネジメントの可視化」25.0%
「プロセス改善」19.4%
となっています。

ITILは、品質向上と同時に、顧客満足度も向上させてしまうもののようです。
「顧客の要求を満たす」のが生産管理での「品質」そのものですから、
「サービス品質」が向上して副次的に向上しているのかもしれません。
とはいえ、特にITILは、「ITサービス」の仕組み。
お客様へのサービスそのものが品質になりますので、
直接的なお客様向けの活動もISO20000では要求事項に盛り込まれています。

・SLAの設定
・年1回以上のサービスレビュー
・サービスレポート
・顧客満足度調査

運用保守業務においては、何も起こらなければ、
お客様にコンタクトを取る機会も少ないものです。
しかし、とかくブラックボックス化しがちなITの分野においては、
「今期は何も起こりませんでした。そのために、このような取り組みをしました」
そんな報告も、立派なサービスなのだと気付かされる次第です。

「何人ぐらい確保する必要があるの?」
これから構築に取り組まれる方によくある質問です。
組織によっては、技術マネージャーが兼務で、
組織によっては、専任の課長職と事務局数名、
というところもあります。

これまでITILや他の認証規格、内部統制の取り組みをもとに、
業務を再構築された経験のある会社は、兼任者1名とアシスタントで済むかもしれません。
大規模な会社や、
全社的に業務フローを見直そうと大きな取組を計画されている場合は、
複数名体制のプロジェクト組織の事務局を置く場合もあるでしょう。

ISOは日々の業務そのものなのですが、
認証取得にあたっては、全社で整合性のとれた仕組みを確立するために、
利害関係者の調整にあたる人、
審査や規格の運用において必要な文書を作成する人、
審査員との連絡窓口となる人などが必要です。
また、エネルギーの要る作業ですからプロジェクトリーダーを立てて、
リーダーシップを発揮してもらうのも大事でしょう。
このプロジェクトリーダーは何らかの役職についている方が望ましいです。

余談ですが、このPMOやプロジェクトリーダーを経験された方は、認証取得後、
昇進するケースをよく耳にします。
ある会社では、2段階昇進で取締役になった女性がいるそうです。

「認証取得」というわかりやすい成果を上げたこと、
経営層を含め全社的に顔を出すためアピールにつながること、
を考えると、納得のいく話です。

とっつきづらいと敬遠されがちな仕事ですが、
案外おいしい面もあるようですね。

データセンターなどでもISO20000を取得している会社が増えてきました。

「うちも取得しよう!」
思い立ってから、認定証が会社に届くまで、
最短で半年、通常は1年程度かかります。
既にITILを参考に運用を確立されている会社さんでも、
審査が数カ月かかりますので、やはり半年程度期間を見ておいたほうがよいでしょう。

【構築フェーズ】標準:半年
【運用フェーズ】標準:3ヶ月以上
【審査フェーズ】標準:2ヶ月程度

なお、審査フェーズでは、申し込んですぐ審査、
とはなりません。審査員の稼働状況次第でずれ込む可能性が出ます。
認証取得の情報収集段階から、審査機関の営業さんと頻繁に情報交換し、
構築フェーズで既にある程度の時期を確定してしまったほうが、
プロジェクトメンバのモチベーション管理にも役立つでしょう。

ISOは貴社の経営管理、生産管理そのものです。
雛形ではなく、貴社のトップの方針、顧客の要求、
事業の性質、業務上・技術上の優位性、ノウハウを、
落としこんでいくためには、業務改善そのものの取り組みが求められます。
トップが旗振り役となり、全社で一定の時間とエネルギーをかけて取り組むことが、
認証取得後、業務に根付いたISOとなる秘訣です。

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